
映画・ドラマ化目前の原作本ランキングTOP10
スクリーンや画面の向こうで描かれる物語。
その原点となる“原作本”を、ひと足先に味わってみませんか?
今回の特集では、2025年12月~2026年1月に映像化される原作本を厳選しました。
読むことでしか感じられない緊張感、静かな余韻、登場人物たちの心の揺らぎを、原作ならではの深さで堪能できます。
ストーリーを先取りするもよし、観たあとに余韻をもう一度たどるもよし。
冬の夜長、ページの中で映像の“その先”を旅してみてください。
1位 クスノキの番人

著者:東野 圭吾
理不尽な解雇をきっかけに人生を見失った青年・玲斗が、“願いを叶える”と噂されるクスノキの番人に任命される。
願いを祈念しに来る人々と関わるうち、玲斗自身も人生の意味と家族の繋がりを見つけ出します。
人を殺す物語ではなく、人を生かす物語──東野圭吾が描く静かな感動作。
心の奥にやさしく灯をともす一冊です。
(2026年1月30日 アニメ映画公開)
■おすすめポイント
・東野圭吾が描く“癒し”の物語
・迷える青年の成長譚
・読後に残る“優しい余韻”
2位 人間標本

著者:湊 かなえ
湊かなえのデビュー15周年記念作品。
美を極限まで追い求めた人間が行き着く、危うい情熱と執着。
蝶のように美しい少年たちを“標本”にする芸術家の手記が、読む者の倫理観を揺さぶります。
湊かなえが“イヤミスの女王”としての真髄を見せた衝撃作。
ラストの一行で、全ての価値観が覆される。
(2025年12月19日 Prime Videoで独占配信)
■おすすめポイント
・倫理観を問う“イヤミス”の真骨頂
・手記形式で進む異常心理のリアリティ
・読後の余韻が一週間続く衝撃の結末
3位 かばん屋の相続

著者:池井戸 潤
急逝した社長の遺言をめぐり、家業を支えた弟と銀行勤めの兄が対立する。
銀行員や働く男たちの葛藤、愛憎、そして悲哀をリアルに描いた短編オムニバス。
勧善懲悪の爽快さだけでなく、理不尽や葛藤までもリアルに描き出し、人情味あふれる結末に心揺さぶられます。
短編ならではの心地よいスピード感も魅力!
読後に残るのは、苦くも確かな希望。
(2025年12月 WOWOW 放送・配信)
■おすすめポイント
・“現場感”あふれる銀行リアリズム
・短編ならではのテンポと奥行き
・実在事件を想起させる社会派モチーフ
4位 火星の女王

著者:小川 哲
人類が火星に移住して四十年。
撤退計画が進むなかで発見された“超光速通信”が、地球と火星の対立を加速させていく。
科学者、火星生まれの少女、政治家、警察官――多様な立場の人々の思惑が交錯し、物語は予測不能の結末へ。
SFの枠を超えて、文明と倫理、そして「生きる意味」を問う小川哲の野心作。
(2025年12月13日 NHK総合ほか放送)
■おすすめポイント
・地球と火星の“格差”を描く社会派SF
・超光速通信“スピラミン”が生むサスペンス
・視覚を失った少女・リリの成長と希望
5位 教場

著者:長岡弘樹
「君には、警察学校をやめてもらう」――その一言がすべてを変える。
隻眼の鬼教官・風間公親のもと、退校覚悟で訓練に挑む生徒たち。
警察学校という閉ざされた空間で、信念と恐怖、使命感と絶望が交錯する。
“育成”ではなく“選別”の場で、人間の本質をえぐり出す傑作警察ミステリ。
(2026年1月1日 映画『教場 Reunion』 Netflix配信)
■おすすめポイント
・警察学校を舞台にした異色の群像劇
・鬼教官・風間公親の圧倒的存在感
・話ごとに視点が変わる緊張感ある構成
6位 終点のあの子

著者:柚木 麻子
女子校という小さな世界で揺れ動く少女たちの友情と自意識。
誰かを羨み、誰かに傷つきながら成長していく彼女たちの姿は、かつての自分を思い出させる。
思春期特有の痛みと眩しさを、瑞々しい筆致で描く柚木麻子の傑作短編集。
過去の苦さを愛おしく思える、愛読必至の青春小説です。
(2026年1月23日 映画公開)
■おすすめポイント
・複雑な自意識がリアルに描かれる
・大人が読んでも刺さる“あの頃”の痛み
・日常のきらめきと閉塞感を鮮やかに表現
7位 この本を盗む者は

著者:深緑 野分
蔵書が盗まれ、ブック・カース(本の呪い)が発動し、街が“物語の世界”へと変貌。
本嫌いの女子高生・深冬が、謎の少女と共に謎解き冒険へ。
数々の物語を巡るうちに気づく“言葉の力”と“自分の居場所”。
ミステリー、SF、ハードボイルド...ジャンルを越えて展開する壮大な文学冒険譚。
ページをめくるたびに“読む喜び”を思い出させてくれる、読書礼賛の一冊。
(2025年12月26日 アニメ映画公開)
■おすすめポイント
・各章でジャンルが変化する文学的多層構造
・読書嫌いの少女が変化していく成長物語
・森見登美彦氏も推薦する“物語への愛”
8位 雪煙チェイス 新装版

著者:東野 圭吾
殺人容疑をかけられた大学生・竜実は、唯一のアリバイ証人である美人スノーボーダーを追ってスキー場へ。
極寒のゲレンデを舞台に、逃走と追跡が交錯するスピード感あふれるサスペンス。
白銀の世界を駆け抜ける臨場感と、東野圭吾らしい人間ドラマが胸を熱くする。
(2025年度冬 NHK総合 放送予定)
■おすすめポイント
・各章でジャンルが変化する文学的多層構造
・読書嫌いの少女が変化していく成長物語
・森見登美彦氏も推薦する“物語への愛”
9位 万事快調〈オール・グリーンズ〉

著者:波木 銅
閉塞した田舎町、出口のない家庭、息苦しい学校生活。
そんな現実に反発する女子高生3人組が、学校の屋上で“大麻を育て売りさばく”という奇想天外な計画を実行!
ヒップホップとサブカルを武器に駆け抜ける10代の衝動を、鋭くもユーモラスに描く。
暴力的なエネルギーと疾走感に満ちた、新時代の“過激派”青春小説です。
(2026年1月16日 映画公開)
■おすすめポイント
・社会の“底辺”から始まる痛快な青春劇
・サブカル炸裂!カルチャー好きにはたまらない
・若き才能の登場を告げる衝撃のデビュー作
10位 シリウスの反証

著者:大門 剛明
死刑囚から届いた「俺はむじつだ」の一通の手紙。
冤罪救済チーム「チーム・ゼロ」は、30年近く前の一家殺害事件の再審請求に挑む。
科学捜査の盲点や人間のバイアスという闇に切り込む、社会派ミステリ。
「真実」とは何か――理想と現実の狭間で揺れる弁護士たちの葛藤が胸を打つ。
思わず二度見する展開にも注目!
(2026年1月 WOWOWで放送・配信)
■おすすめポイント
・科学捜査の限界に挑む知的サスペンス
・若手弁護士の信念と理想を描く人間ドラマ
・重厚な社会テーマとエンタメ性の融合
本屋さんで本を買うって、ちょっといい。

本屋で本を買うって、ちょっといい。
ランキングを見て、「これ読んでみたいかも」って思ったら──
次の休日は、街の本屋さんに足を運んでみませんか?
ネットでポチっと買える時代だけど、本屋さんで本を探す時間って、やっぱりちょっと特別。
たとえば目的の本を探していたはずが、ふと横の棚に目が留まって、まったく別の作品に吸い寄せられること、ありますよね。
装丁に惹かれて手に取ったり、ページをパラパラめくって「うわ、これ好きなやつ!」ってなったり。
そんな偶然の出会いがあるのが、書店のいいところ。
五感をフルに使って、物語と出会える場所。
それが、本屋さんなんです。
レシートで、本屋さんを応援しよう。

レシートで、本屋さんを応援しよう。
実は今、「本屋さんを未来に残すため」の動きがいろいろ始まっているのをご存じですか?
その中のひとつが、レシートキャンペーンです。
仕組みはとってもシンプル。
街の書店で買った本を、レシートと一緒に宅配買取で送るだけで、購入金額の“半額”が戻ってくるんです!
対象は全国の新刊書店すべて。
ご購入から1ヶ月以内の書籍が対象だから、読み終わったあとすぐに申し込めばOK。
“応援したい書店で買う”ことと“お得に読書を楽しむ”こと、どちらも叶う嬉しい仕組みです。
「せっかくだし、書店で買ってみようかな」
そんな気持ちが、未来の書店文化を守る力になります。


